プロ棋士5人VSコンピュータ5台【第2回電王戦について】




(この文章は2012年12月18日に書いたものです)

日本で一番頭が良い人が属している職業は何か、ということを考えたことがあります。

世の中にはいろいろな職業がありますが、僕は、プロの将棋棋士の方たちが、最も頭の良い人の集団だと思っています。

フランスの経済学者であり思想家でもあるジャック・アタリは、「21世紀はチェスのチャンピオンがハイパークラスのスターの地位を占めるようになる」と述べています。

政治家や官僚なんかよりも、プロ棋士の方たちに政策を考えて進めてもらったほうが、日本は良い国になると、僕は確信しています。

2013年3月23日から、1週間に1局ずつの計5局、プロ棋士5人VSコンピュータ5台の対局が行われる第2回電王戦が開催されます。

5局中でも最も楽しみなのは、やはり最後の大将戦です。

なんとA級棋士の、三浦弘行八段が登場します。

プロ棋士は全部で約160人いて、ピラミッドのように強い順で、A、B1、B2、C1、C2とリーグが分かれています。

A級はそのなかでも、トップのわずか10人しか入れないクラスです(羽生義治三冠や渡辺明竜王もA級です)

三浦八段はプロ棋士の中でも、10本の指に入る実力者なのです。

対する相手は、2012年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したGPS将棋というソフトです。

東大の788台のパソコンを使って大規模クラスタを構成して指し手をよむ(記者会見で670台ぐらいに減りそうと言っていましたが…)、現在最強のコンピュータソフトですので、熱戦が期待されます。

コンピュータがプロ棋士と対局するなんてことは、少し前までは考えられないことでした。僕が将棋にハマっていた15年ぐらい前は、アマチュアの僕でも、コンピュータに楽に勝てました。しかし、コンピュータは目覚しい成長速度で、プロ棋士を脅かす存在になってきたのです。

一年前、米長邦雄永世棋聖が、ボンクラーズというコンピュータに負けて将棋界に衝撃が走りました。
ただし、米長会長はプロ棋士を引退して何年も経っていたので、現役の男性のプロ棋士が公の対局でコンピュータに負けたことは、まだ一度もないのです。

今回、5局中1局でもコンピュータが勝てば、おそらくかなりの騒ぎになるでしょう。
ただ、それは充分に起こりうることです。

将棋というのは実力が上でも、必ず勝てるわけではありません。

プロ棋士とアマチュアのトップの方が対局したら、10局やれば1局か2局、アマチュアが勝てることもあるのです。

よって、5試合中、プロ棋士側の4勝1敗や3勝2敗ならば、コンピュータが人間より強い、ということにはならないでしょう。

ただ、万が一、5局全部コンピュータが勝つなんてことになったら、大きな事件になります(絶対にそんなことになってほしくないですけど)。

だから僕は(というかおそらく多くの将棋ファンは)、このイベントがとんでもなく楽しみであると同時に、とても怖いのです。

プロ棋士を凌駕するような頭脳をコンピュータが持つと、どうなってしまうのか?

『2001年宇宙の旅』という映画でコンピュータが人間に逆らっていてゾっとしましたが、そんな時代になってしまうのではないか?
そういう悪夢的なSFの世界が、空想ではなくなってくる気がします。

将棋を知らない人にも、是非興味を持ってもらいたいイベントです。

人間の頭脳VSコンピュータという、歴史的な戦いになると思います。

 

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