第4期叡王戦の本戦トーナメントの対局、斎藤慎太郎王座VS藤井聡太七段 戦が、本日(11月23日)行われました。
本戦トーナメントの1回戦でしたが、決勝戦でもおかしくない好カードでしたね。
両者は今年の7月に王座戦挑戦者決定トーナメントの準決勝で初対戦があり、斎藤王座が勝っています。
斎藤王座は予選で窪田義行七段、畠山鎮七段、戸辺誠七段に勝ち、本戦出場を決めました。
藤井七段は予選で木下浩一七段、小林裕士七段、千葉幸生七段に勝ち、本戦出場を決めています。
振り駒で、先手は斎藤慎太郎王座になりました。
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将棋の先手後手はどちらが有利なのか

プロ棋士の先手番勝率は毎年52%前後ぐらいなので、勝率的には先手と後手でそれほど差は出ていません。
ただ、これは持ち時間の短い将棋や、棋力差のある対戦相手との結果もすべて含まれたデータです。
棋力差が同じ程度で、持ち時間が比較的長めの戦いでは、やはり先手番が有利な面が多いと思います。
というのも、先手のほうが1手先に指せるので、先手が攻め、後手が守り、になる展開が多いんですね。
タイトル戦の先手番と後手番を交互に指すのを、テニスのサーブとレシーブに例えられることがありますが、まさにそんな感じですね。
そして、守る側は一手間違えただけで一気に不利になるので、神経を使うし考える時間も多く使う傾向が多いです。そして本局も、まさにそういう展開になりました。
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本局の戦型は角換わり・▲4八金、△6二金型
戦型は角換わり・▲4八金、△六二金型という、今プロ間で一番流行っている戦法になりました。
34手目藤井聡太七段の△6五歩

この手は本局の最初のポイントになりました。
ここは△8一飛と引いて守るのがよくある進行なのですが、藤井さんが少し欲張った手なんですね。
すかさず斉藤王座が許さんと、攻めを開始します。
▲3五歩、△3五同歩と突き捨てたあとに、
37手目斉藤王座▲4五桂

このあと、藤井さんも必死に守りますが、苦しい時間が続きます。
ずっと斉藤王座の攻めのターンが続いて、一気に勝勢へ。
解説の阿久津主税八段が「自分なら投了する」と言った81手目の局面が以下の図です。

藤井さんの王様が包囲されていて、必敗の局面です。
劣勢の局面から藤井聡太七段の必死の粘り

しかしここから、藤井マジックが炸裂しました。
82手目△8一飛

さらに、
92手目△3二飛

必死の粘りで、流れを変えていきます。
110手目△7六桂

まだ斉藤王座が有利ですが、少しでも間違えたら負けてしまうギリギリの展開が続きます。
このあたりの局面は、対局を観ていた観戦者は盛り上がりまくってましたね。
マラソンで例えるなら、何キロも離したはずの後続の選手が、最後の競技場で気付いたらすぐ後ろにきている、みたいな感じでした。
まさに手に汗握る攻防が続きます。
しかし斎藤王座も間違えません。
最後は正確に受けて、135手目▲2一飛で、藤井聡太七段投了。

これで二人の対戦成績は、斉藤王座の2連勝となりました。
ただ、藤井聡太七段は負けてしまいましたが、終盤力の凄さを存分に見せていましたね。
今までは2局とも斎藤王座が先手番だったので、今度は藤井さんの先手で、2人の対局が観てみたいです。
こんなにハラハラする対局を観たのは久しぶりなので、楽しかったです!!
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