「お祭りとカキ氷について~なぜブルーハワイ味だけ果物の名前じゃないのか・何味なのか~」 5年1組 鈴木 太郎
ぼくはお祭りが大好きです。お祭りに行くと絶対にカキ氷を食べます。それで、カキ氷は何味が一番売れるのか調べてみようと思いました。
毎年カキ氷の屋台を出している中村さんが協力してくれました。中村さんは身長175cm体重60kgでこんがりと日焼けしたナイスガイです。中村さんにこう書けって頼まれたので書きました。
中村さんの屋台には全部で5つの味のカキ氷が売っています。イチゴ味とメロン味とレモン味とグレープ味とブルーハワイ味です。
「グレープ味をグレープフルーツ味のことだと勘違いして買って、あとで怒る客が毎年2、3人はいるんだ」と中村さんは悲しそうに語っていました。
ぼくはお祭りが始まってからずっと、中村さんのそばでカキ氷の売れ行きを見守っていました。はじめのうちはメロン味が面白いように売れていきました。ぼくはこの中でメロン味が1番好きだったから、メロン味が1番人気になってほしいと思っていたのでうれしかったです。このままいけば、メロン味の優勝だとぼくは確信していました。あの時は、まさかあんなことになるなんて、知る由もなかったのです……。
そうです。夜も遅くなり涼しくなってきてから、急激にイチゴ味の売れ行きが上昇していたのです。まるで中国の古い物語に出てくる龍のような勢いで、イチゴ味は売れていったのです。ぼくはなんとかメロン味を勝たせたいと思って、自腹でメロン味のカキ氷を3つ買ったのですが、焼け石に水でした。結局イチゴ味が勝ったのです。
ぼくは自分の思い通りの結果が出せなくて不甲斐なくて涙が出そうでしたが、結果は結果として受け止めようと思います。
最後に、イチゴとかメロンとかレモンとかグレープとかみんな果物の名前なのに、なんでブルーハワイだけ果物の名前じゃないのかと、中村さんに聞いてみたところ、
「青色の果物の名前が思い浮かばなかっただけだろ」と吐き捨てるように言われました。長年の謎が解けてよかったです。
「祭りにおける、非日常の中の日常」 5年1組 二階堂 秀之介
祭りの娯楽性の秘密は、祭りが「非日常」であるということに起因するであろう。人は日々の平凡な生活(=「日常」)から逃避し、祭りという名の快楽を貪りつくすのである。
このように、祭りの楽しさを日常からの乖離によるものと仮定すると、一つの違和感を覚える事象が浮上する。そう、「焼き鳥」についてである。祭りの屋台では「焼き鳥」が必ずといっていいほど売られているし、甚大な数の人間がその「焼き鳥」を毎年購入することは、火を見るよりも明らかである。しかし、ここで立ち止まって考えてみてほしい。「焼き鳥」というのは、果たして「非日常」であるのか、ということについて。チョコバナナやヨーヨーといったものはともかく、「焼き鳥」は「日常」においても比較的容易に手に入るものではないか。すなわち、祭りという「非日常」の中に入ってまで、私たちはなぜ「焼き鳥」という名の「日常」を希求してしまうのだろうか。
「非日常」の中の「日常」を求める我々は「日常」の中の「非日常」をも同時に求めるであろう。そして、パンにハムを挟んだものは「ハムサンド」でありハムにパンを挟んだものも「ハムサンド」と呼んでいいものかどうかに、頭を悩ませ続けることは言わずもがなである。
祭りのこのような不可解な謎について、今後も検討をしていく所存である。
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