『イケメン』
「俺の友達がね、自分がイケメンかどうかで悩んでねん」
「ほな俺がな、友達がイケメンかどうか一緒に考えてあげるから、どんな特徴か教えてみてよ~」
「友達なあ、合コンにめっちゃ呼ばれる言うねんな」
「イケメンやないか!合コンにめっちゃ呼ばれるのは、完全にイケメンやがな。すぐ分かったやん、もう。何が分からんの?」
「俺もイケメンや思うたんやけどな、友達が言うには、合コンで手品を毎回やらされるんねんて」
「は~、ほなイケメンと違うか~。イケメンが、合コンで手品するわけないもんね。手品は、イケメンじゃない奴が自分のポジションを見つけるために必死にやるもんやからね。ほなイケメンちゃうがな。もうちょっと詳しく教えてくれる?」
「友達なあ、なんで毎日LINEが鳴りやまへんか分からんらしいねん」
「イケメンやないか!イケメンは、女の子からのLINEが毎日鳴りやまへんもんなんよ。かわいい子から自撮りの動画とか送られてくるんやから!」
「そのLINEでな、お得なセール情報がたくさん分かるんやて」
「それイケメンちゃうやないか!無料スタンプを登録しすぎて、企業からの宣伝LINEが届いてるだけやないか!わてのおかんもそれでパニックになっとったで。ほなもうちょっと何か言ってなかったあ?」
「友達なあ、よくきれいな人とご飯に行くんやて」
「イケメンやないか!きれいな女性とご飯に行けるのは、イケメンとIT社長だけやからね。友達はIT社長ではないんやから、イケメンに決まりやがな。なんで分からへんのもう」
「俺もイケメンや思うたんやけどな、友達が帰るときにその人からお金を請求されるんやて」
「ほなイケメンちゃうやないか!イケメンは食事のあとにお金を請求されへんからね。食事のあとのお金はイケメンじゃない人が、美貌のバランスを補うために払うもんなのよ。女性に払うお金は【イケメンじゃなくてごめんなさい】という埋め合わせの塊やねん。イケメンちゃうやないか。ほなもうちょっと何か言うてなかったかあ?」
「友達なあ、毎日鏡を1時間くらい観るんやて」
「イケメンやないか!イケメンは自分の顔を観てるだけで癒されるんやから鏡を観る時間が長いのよ!ナルシストかもしれんけどそれでいいの。だって周りの景色よりも自分のほうが美しいんやから。イケメンじゃないと毎日1時間も鏡観てられへんからね。イケメンやそんなもんは!」
「俺もイケメンやと思うたんやけどな、友達コンタクトを目に入れるのに1時間かかるんやて」
「ほなイケメンちゃうやないか!ただの不器用な奴やないか!コンタクトをつけるのに1時間かかったら、三面鏡ひっくり返すもんね。コンタクトの潤いなくなっとるやないか。ほなもうちょっと何か言うてなかったかあ?」
「友達なあ、街を歩いていると通行人からじろじろ見られるんやて」
「イケメンやないか!女性は遠くからでもすぐにイケメンを発見するんやから。わてはな、女性にはイケメンセンサーがあるんやないかと睨んどるんよ。わては何でもお見通しや!それにイケメンはファッションも参考にされたりするわけやからな。きっとおしゃれなんやろ。イケメンに決まりや」
「服はなあ、冬でも半袖短パンやねん」
「ほなイケメンちゃうやないか!イケメンは真冬に半袖短パンで外を歩かへんからね。格子柄のロングコートをびしっと着こなすもんなのよ!通行人も変な人がいるって見てただけやないか!ほな友達の男のこともう少し聞かせてみい」
「男ってなんのことや?あれ、言うてへんかったっけ。俺の友達は女やで」
「ほなイケメンちゃうやないか!!イケメンは【イケてるメンズ】の略なんやから女なら絶対イケメンちゃうやないか!先言えよ!俺が格子柄のロングコートをびしっと着こなすジェスチャーしてるとき、どう思うててん?どうなってんねん!」
「でもその友達なあ、自分がイクメンかどうかも悩んでんねん」
「いや絶対ちゃうやろ!もうええわ~!ありがとうございました~」
→ミルクボーイ内海さんの名言『今ある不満は全て自分のせい』【駒場さん・アナザーストーリー】はコチラ
コメントを残す