長編小説を最後まで書き切るための「リサイクル戦法」について




長編小説をなんとか最後まで書き切るノウハウが分かってきたのですが、そのなかでも、自分が以前に書いた作品を「リサイクル」する技は結構使えますね。

これは作家の佐藤友哉氏がインタビューで応えていたことに着想を得ています。

「20歳までになんとかしようと焦っていたんですね。でも、今さら1から考える時間はない。そこで考え出した作戦が、フロッピーディスクにある小説の断片を混ぜこんでしまえば、分量的には4~500枚にはなるだろうというものでした。自分の小説を自分でパクったんです。それなら自分の青春汁が凝縮するだろうし(笑)、『メフィスト』の編集者の誰かには届くに違いないと思いました。それで自分の小説をミキサーにかけて、絞り取って、グラース家の日本語訳として「鏡家」というお皿を作って、そこに凝集した青春スープを注ぎ込んで、19歳でやっとこさ1作完成させました」

そうやって書いた作品でメフィスト賞を受賞し、佐藤友哉氏は21歳で作家デビューしたんですね。

このように、完成できなかった作品や、小学校のときに書いた卒業文集の作文でもなんでもいいので、今まで自分が書いた文章をとにかく再利用して、DJのようにリミックスして、一つの長編にぶち込んでしまう、という方法ですね。

また、僕がよくやるのは、今まで書いた40枚くらいの短編小説5作品をいろいろ改稿して組み合わせて、(連作短編)として長編の賞に投稿する方法ですね。その際に5つの作品に何らかの関連を持たせられれば、連作として形になりますよね。

例えば、全部の短編の舞台を同じ場所に変えれば、有川浩さんの『阪急電車』みたいになりますし、登場人物を同じ年齢に設定して普遍的な悩みを描けば村上龍さんの『55歳からのハローライフ』みたいになります。

もしくはAという長編を書いてそれを投稿して落ちたら、その小説でうまく書けたシーンだけを抜粋して、次のBという小説に組み合わせていく、というやり方もあります。(そうすると、Bの小説をゼロから考えなくてすみます)

新人賞の締め切り前で時間がなくてもう間に合わないというときは、諦める前に自分の以前書いた作品をリサイクルできないかを考えてみるのをオススメします!!(自戒を込めて)

 

 

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