世にも奇妙な物語にハマっていた時期があって、どれぐらい好きかというと、中学生のときに「世にも」(長いので省略します)を観ていない同級生に、給食の時間に自分の好きなストーリーを朗読のようにすべて話して聞かせていたぐらい好きだった。(ちなみに星新一のショートショートのストーリーも話していた)
また、自分が書いた小説を周りの人に読んでもらったときに、「世にも」っぽいよね、とかなりの人数に言われたので、やはり無意識に影響を受けているのだろう。
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目次
世にも奇妙な物語『夜汽車の男』のあらすじ・キャスト(大杉漣)・原作(かっこいいスキヤキ)・泉昌之(泉晴紀&久住昌之のコンビ)・弁当・一番好きな奇妙作品に挙げる人も多い
(『夜汽車の男』の原作は泉昌之さんの漫画『夜行』です。『かっこいいスキヤキ』に収録されています!)
過去の作品は結構観ていないものもあり、最近『夜汽車の男』を初めて観たのだがこれは傑作。
そしてまさにこれは、自分が作品として書きたかったような内容だったので「やられた!」と思ってしまったのである。
『夜汽車の男』のストーリーは単純で、ある中年の男(大杉漣)が、カップルやら子供連れやらが乗っている夜汽車の座席に座り、駅弁を食べる、という話である。
これだけの話なのだが、奥が深い。
なぜならその男は、駅弁をたまらなく愛していて完璧に味わうために、食べ方に細心の注意を払う必要があるからである。
例えば、弁当の食べ方には大きく分けて二種類ある、と男は言う。
一つは西洋式。
まずスープを呑んでオードブルを食べて、というように、徐々にメインのおかずに向かって進んでいく食べ方。
もう一つは東洋式。
これは三角食べに代表されるように、さまざまなおかずや主食を、交互にバランスよく食べていく方式。
そして男は今回、西洋式でも東洋式でもない、独自の食べ方に挑戦していくのである。
他にも、カツに入っているのが肉なのか白身魚なのかを推理していくくだりなど、スリリングな展開が続いていく。
このような、細かいことをくどくど考えたり描いたりしていく、という手法は、フランスの作家サミュエル・ベケットなどが得意としている。
ベケットは小さな石ころを、右ポケットから左ポケットに入れ替え、時にその石ころをしゃぶったりするという、どうでもいい描写を、徹底して延々と描いたりする斬新な作風であった。
この手法はのちのアラン・ロブグリエなどのヌーヴォー・ロマンに繋がっていくわけだが(たぶん)、日本の作家でいえば、筒井康隆や中原昌也はときどき行っているような気がする。
そしてこの形式は、自分でも何度か試してみたが作品としてまとめづらい(退屈になったり難解になったりしてしまう)のだが、『夜汽車の男』は見事にエンターテイメントとして成立させていることに脱帽したのだった。
世にも奇妙な物語『夜汽車の男』に雰囲気が似ているコメディ小説『中二階』ニコルソン・ベイカー
(『夜汽車の男』みたいな小説と言えば、ニコルソン・ベイカーの『中二階』というコメディ小説をオススメします。昼休み中のサラリーマンが、たった数分の出来事を、くどくどと小説一冊分考察し続けるという傑作です!)
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