小説のアイデアの生まれ方~第3回~「アイデアは制約から生まれる」




以前、川柳のコンテストによく投稿してたんですけど、川柳のコンテストって主催者がテーマを決めてるんですね。

「お金」に関する川柳を送ってください、とか、「サラリーマン」にまつわる、とか「痔」のことで川柳を書いてください、などなど。

そういうときって、アイデアがどんどん浮かぶんです。

お金だったら、じゃあお金を落とした悲しさを書こうとか、お金で騙されたことを書こうとか。

ただある時、テーマ「自由」っていう川柳のコンテストがあって、

 

「テーマは何でもいいので、面白い川柳を送ってきてください」

 

ってあったんですね。

このとき、僕はまったく作品が思い浮かばなかったんです。

5.7.5で何を書いてもいいのですから無限に書けるはずなのですが、発想のとっかかりがないんですよ。

 

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自由過ぎるとアイデアは考えづらい

僕はよく、自由過ぎる状態を高級バイキングで例えるんですけど、

おそらく多くの人が経験があると思うのですが、

自由っていうのは、高級バイキングに行ったときに、寿司もステーキもフカヒレスープも何でも揃っているがために、最初に何を食べて良いか分からなくなり混乱して、とりあえず、おにぎりを食べてしまう感じに近い気がするんですね。

執筆もそれと同じで、小説って自由過ぎるんです。

ジャンルで言えば、ミステリーを書いてもいいし、ホラーを書いてもいいし、恋愛について書いても、SFでも純文学でもコメディ書いてもいいわけですよね。

時代設定だって、現代だけじゃなくて、200年後を書いてもいいし、江戸時代とか縄文時代を書いてもいいわけです。

1人称で書いてもいいし、3人称で書いてもいい。

難しい言葉を使って書いてもいいし、平易な文体で書いてもいい。

物事が起こった初めから順番に書いてもいいし、時間軸をずらして書いてもいい。

登場人物を百人出してもいいし、一人しか出さなくてもいい。

 

何を書いてもいいってことは、一歩間違えれば、何も書けなくなるんですよ。

 

だからここで、制約を加えてみましょう。

 

まずは、空間に制約を加えます。

 

「マンションの中での話」

で、長編小説を書くとします。

その小説の中で、マンションの外の話は一切描いてはいけません。

そうすると、そのマンションにどんな人が住んでいるだろう?どんな問題が起こっていくんだろう?とアイデアが浮かんできます。

高層マンションの中での住民の争いを描いた、『ハイ・ライズ』(J・G・バラード著)は、まさにそんな話で興味深く読みました。




他にも、時間軸に制約を加える方法もあります。

「1日の中で完結する物語」

で、長編を書くとします。

すると、その1日はどんな日なのか。バレンタインデーやクリスマスなど、特別な日なのか、そうではないのか。その1日の朝から物語を始めるのか、それとも昼過ぎぐらいから始まるのか。どこに行くのか。どんな登場人物を出すか。

とアイデアが湧いてきます。

一日の中で完結する恋愛映画で、リチャード・リンクレイター監督の『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』という作品がお気に入りなのですが、

 




海外の旅先で出会った男女には、タイムリミットが一日しかありません。

だからドラマが起こって、面白いんですね。

 

また、制約をいくつも加えるパターンでいくと、

三谷幸喜さんの『ラヂオの時間』では、




「空間」 →ラジオ局から出ない

「時間」 →1日の中の物語

と、空間と時間のダブルの制約があることにより、面白さが際立っていると思います。

自分の作品に自分でどんどん制約を作るようになってから、小説を書くのが面白くなってきました。

 

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