小説のアイデアの生まれ方~最終回~「アイデアよりも大切なこと」




今まで何回かに分けて小説のアイデアの生まれ方を書いてきたわけなんですけど、実はアイデアを考えるのってそんなに難しいことじゃないし、結構大勢の人ができるんですよ。

例えばうちの母親もたまに手紙で小説のアイデアを送ってくるんですね。

「富士山が実は秘密基地だった」

みたいな良く分からないアイデアを。

従妹とかに会っても、

「すごく仲の良い二人がルームシェアをしていて、でもね、実は最後の最後で、どんでん返しが起こるんだけど~」

みたいに得意げに話してくるわけですよ。

でね、彼ら(彼女ら)の共通点は、絶対に自分では小説を書かないんですよ。

小説のアイデアが思い浮かんだ人が30人いたとしたら、その中で実際に書くのは1人くらい。残りの29人は、書いてもどうせ駄目だしとか、今は忙しいからまた今度とか理由をつけて、書きません。

あと、アイデアが浮かんで実際に小説を書きだしても、ほとんどの人が途中で書くのをやめます。

以前、仕事先に書いた小説を持って行って読んでもらってたことがあったんですけど、その中の何人かが、「これぐらいなら俺にも書ける」って言って小説を書きだしたんですね。

でも、案の定彼らは、最後まで書かずにやめて、作品が完成することはありませんでした。

僕の感覚だと、小説を書き始めた10人のうち、9人は途中で書くのをやめますね。書いていて思い通りに行かなかったり、他のことに興味を持ってしまって小説を書く時間がなくなったりで、書き始めた人の中で最後まで書いて完成できる人は10人のうち1人ぐらいでしょうか。

よって、アイデアが浮かんだ中で書く人で、30分の1に絞られて、さらに最後まで書くので10分の1に減るので、アイデアが浮かんで小説を最後まで完成することができるのは、300人に1人ぐらいじゃないでしょうか。

これとまったく同じような話を、ビジネスの経営者とかもよく言ってるのを聞きますね。

ビジネスモデルを思い浮かんでる人はたくさんいると。でもそれを実行できる人はほとんどいない。

小説もビジネスと似ていて、思い浮かんでから形にするまでに、実はかなり距離があるんです。

だからよくいるのが、ベストセラーの本とか映画が出たときに

「このアイデア俺も考えてたよ。記憶喪失の女性と恋に落ちる話でしょ」

みたいに言う人がいるんですけど、そりゃそうなんですよ。

アイデアって、同じようなことを、みんな考えてるんですよ。

でもそのアイデアを完成できるかどうかで、圧倒的に差が出ているんです。

プロの作家の中には、別にそんなに面白くないじゃん、と思うような人もいます。

ただ、彼らは少なくとも、コンスタントに作品を完成させ続けています。

 

プロの作家になる人は、たぶん、作品を最後まで書くこと、を繰り返せる人なんだと思います。

 

アイデアをきちんと完成させることは、アイデアが浮かぶことなんかよりも、何十倍も大切なことなんですね。

さらに、小説を最後まで書くことは大変ですけど、ご褒美もあります。

 

僕がアイデアが最も浮かぶ瞬間の一つにあるのが、「小説を完成させた日」なんですね。

 

ずっと同じ作品のことをグルグルと考えて、そこから解放された日に、急に全く違う別のアイデアが降ってくることがよくあるんです。

アイデアが思い浮かんだら、それをなんとかして、どんな手を使ってでも、完成させましょう。

と言いつつ、僕もまだまだできていないことも多いのですが…。

 

ショートショートのアイデアの考え方やラストの作り方をnoteに書きました!

デパルマ三世
「小説現代ショートショートコンテスト」に入選した僕の作品を題材にして、ショートショートのアイデアの思い浮かび方と、意外性のあるオチについて解説しています!

 

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