小説の魅力的なキャラクターの作り方まとめ【小説を書く・書き方】




小説を書くときのキャラクターの作り方を、人気作家や漫画家の方法から紹介していきます!

創作はキャラクターがすべて・キャラクターを考えることの大切さ・小池一夫さん

『子連れ狼』や『ゴルゴ13(初期)』など数々のヒット漫画の原作者としても知られている小池一夫氏は、漫画はキャラクターが全てだ、と断言しています。

繰り返しになりますが、『漫画=キャラクター』です。

そして、ドラマよりも先にキャラクターを創ること。これは大前提です。

キャラクターができると、ドラマはあとからついてくるのです。

もちろん、これは他のメディアでも同じです。

作品を創りたいと思ったとき、まず決めなければならないのはどういうことでしょうか。

漫画に限らず、多くの人に楽しんでもらえるエンターテイメント作品を創ろうと思ったときに、決して間違えてはいけないのは、最初に「どういうストーリーを描きたいか」を考えるのではなく、「どんなキャラクターを描きたいか」を考えるこということです。

 

~『人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方-』~小池一夫著より引用

すべてというのは少し極端な気もしますが、キャラクターが大事なのは間違いありません。

それは漫画だけではなく、小説でも同じことが言えると思います。

デパルマ三世
ヒットしている作品のほとんどが、また会いたくなるような人気キャラクターが出てきますね!



周りの人をよく観察して、キャラクターを作る・村上春樹さん

作家の村上春樹さんは、キャラクターを描くためには多くの人を知らなくてはならない、と述べています。

知るといっても、相手を理解したり、よくわかったりするところまで行く必要はありません。

その人の外見やら言動の特徴やらをちらっと目に留めておくだけでいいんです。

ただ自分が好きな人も、それほど好きではない人も、はっきり言って苦手な人も、できるだけ選り好みをせずに観察することが大事です。

~『職業としての小説家』村上春樹著より引用~

僕も登場人物を書くときは、実際に周りにいる人をベースにして、性格や見た目を極端にデフォルメしたりして作ることが多いですね。

ゼロから創るよりも、イメージしやすいです。

デパルマ三世
「実在の人物に嘘を混ぜる」やり方ですね。

物語の流れで、キャラクターを作っていく方法もある・村上春樹さん

物語の流れの中で、キャラクターを作っていく方法もあります!

多くの場合、僕の小説に登場するキャラクターは、話の流れで自然に形成されていきます。

「こういうキャラクターを出そう」と前もって決めることは、僅かな例外を別にすれば、まずありません。

書き進めていくうちに、出てくる人々のあり様の軸みたいなものが自然に立ち上がり、そこにいろんなディテールが次々にくっついていきます。

~『職業としての小説家』村上春樹著より引用~

僕の場合もこれはそうで、【プロット(物語)】はある程度かっちり決めてから書きたいのですが、【キャラクター】に関しては書き始める前は、このひとはどういう人、というのをかっちり決めたくないんですよね。

ふわっとさせておきたいというか。

人によっては、登場人物ごとに履歴書のようなものまでみっちり書いて、キャラクターを作っていく方もいます。

デパルマ三世
キャラクターをどこまで作ってから小説を書き出すかは、人それぞれ合ったやり方でいいと思います!


キャラクターを動機から考える。何をしたい人なのか・荒木飛戸呂彦さん・本

『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』の作者である漫画家の荒木飛戸呂彦さんは、「何がしたいのか」の動機がキャラクターにおいて最も重要だ、と言います。

この時に一番大事なのは「動機」です。

主人公は何をしたい人なのか、その行動の動機をはっきり描かないと、キャラクターというものは出来上がっていきません。

『荒木飛戸呂彦の漫画術』荒木飛戸呂彦著より引用

キャラクターによって動機は変わってきます。

世界で一番強くなりたい人なのか、平和に生きられればいい人なのか、とにかくカレーを毎日食べたい人なのか。

動機を固めることで、キャラクターの魅力が浮かび上がってきます!


キャラクターの弱点は魅力になる・貴志祐介さん

作家の貴志祐介さんは、キャラクターの弱点は魅力になると述べています!

『これまでに世に送り出された名探偵もの、名刑事ものを思い返してみてほしい。

たいていのシリーズでは、主人公に何らかの明確な弱点が設定されていることがわかるはずだ。

ヒーローは完全無欠の存在である必要はない。むしろ弱点があることで、読者にとっては受け入れやすくなる

~『エンターテインメントの作り方』貴志祐介著より引用~

これは創作だけではなく、現実世界でも同じですね!

完璧な人よりも、弱点があったり隙があったりする人のほうが、人に好かれやすいと思います!


キャラクターの命名について。名前の付け方はリズム感が大事。名前の付け方・荒木飛戸呂彦さん・ジョジョの奇妙な冒険

ちなみに承太郎という名前は、「継承する」というイメージと「ジョジョ」の語感を合わせて作りました。

『荒木飛戸呂彦の漫画術』荒木飛戸呂彦著より引用

『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の主人公「空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)」は、リズム感や語感や意味なども含まれた名前だったので、かっこいいんですね!

デパルマ三世
いつもなんとなく登場人物の名前を決めてしまっていたので、これからはしっかりと意味なども考えて決めていきたいと思います!

悪役の描き方は、ミステリアスが基本・貴志祐介さん

悪役はミステリアスではならない、と貴志祐介さんは述べています!

例外もあるが、悪役は、ミステリアスでなければならない。

底を割ったらおしまいで、その時点から、読者の興味は離れていく。

したがって、主人公とは違って、悪役の行動は、何から何まで描写されることはない。

~『ミステリーの書き方』(日本推理作家協会編著)より引用~

漫画「グラップラー刃牙」の主人公刃牙のお父さんの「範馬勇次郎」とかがまさにそうですよね。

この人が普段どんな生活をしているのかよく分からない、というミステリアスさが魅力を増してる気がします。

キャラクターは一人では起たない・引き立てる他のキャラクターも一緒に考える・小池一夫さん

キャラクターを起てる原則として、「一人のキャラクターは起ちにくい」というものがあります。

主人公には、それを引き立てる他のキャラクターが必要なんです。

『子連れ狼』の場合は、拝一刀と大五郎の両方が主人公だともいえると思いますが、親子二人がお互いにキャラクターを引き立てあっています。

~『人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方-』~小池一夫著より引用

「ドラえもん」がなんであんなに魅力的なキャラクターになったかというと、隣にのび太がいたからだと思います。

のび太がいなければ、ドラえもんの活躍の場面はありませんからね。

デパルマ三世
創作の時に主人公のキャラがうまく浮かばないときは、主人公のライバルや仲間のキャラを考えてみることで、お互いを引き立てる新しいアイデアが浮かんでくるかもしれません!

 


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