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作家:貴志祐介について
1959年生まれ。1997年に『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞 の大賞を受賞しデビュー。『硝子のハンマー』で第58回日本推理作家協会賞受賞。『新世界より』で第29回日本SF大賞受賞。悪の教典』で第1回山田風太郎賞受賞[9]、第144回直木三十五賞候補。(ウィキペディアより抜粋して引用)
ホラーの賞で受賞して、ミステリーも書いてSFも書いてって、いろんなジャンルを書ける作家です。
貴志さんの名言で「小説界は今、総合格闘技のようになっている」というのがあって、つまり、ボクサーだったらパンチが強いとか、柔道家だったら寝技が強いとかあると思うんですけど、今の小説界はいろんな技を組み合わせて戦わないと勝ち残れなくなっているんですね。
SFの話にミステリーを取り入れたり、ミステリー小説にホラーを取り入れたり、っていろいろな要素が複雑に絡み合って、ジャンルを超えたところで、貴志さんの作品はできあがっています。
『悪の教典』が生まれたきっかけ
何年か前に「コージー魂!!」という加藤浩次さんが司会の番組に、貴志祐介氏が出ていて、作品の創作秘話などを話していたのですが、そのとき印象深かったのは、アイデアは種のようなもので、最初はとても小さいところから始まる、ということでした。
貴志さんがある日新聞を読んでいると、学校で教師が生徒をいじめていた、という記事を見つけて
「学校みたいな閉鎖空間で、教師が嫌な奴だったら生徒は逃げられないし大変だよなあ」
とふと、思ったそうです。
これがアイデアの種です。
この種が時間をかけて大きく育ち、名作『悪の教典』が生まれます。
『エンタテイメントの作り方』貴志祐介著、から引用します。
『自分の頭に思い浮かんだことだけがアイデアの素ではない。たとえば、テレビを見ているときやネットサーフィンをしているときに、ちょっと気になるニュースや、興をそそる情報に出くわすことがある。「へえ」と思っただけでそのままスルーしてしまうと、それはすぐに忘却の彼方に消え失せる。
しかし簡単でいいからメモしておくと、ひとつの種になる。芽が出る種かどうかはわからないが、そのままのかたちでは使えそうになくても、いつかほかの発想と結びつくことで大きく育つときがくるかもしれないのだ。
こうやって書きためていったアイデアを、私は定期的に整理してパソコン上のドキュメントにまとめておく。これが「アイデアノート」になる』
『新しい作品にとりかかる際、私はまずこのアイデアノートにざっと目を通すことから始める。なにか使えそうなネタはないかと探しながら、これから書き始める物語についてイメージを膨らませていくのだ。
面倒くさがらずにこまめにメモを取り、適宜それをアイデアノートに昇格させていく習慣をつけたことで、私はアイデアの枯渇に悩まなくなった。それを見たら、面白い物語づくりのためのヒントが、必ずあるからだ』
アイデアを発想する「もし」の考え方
また、アイデアを発想する方法の一つとして、もし、を考えることの重要性についても書いてありました。
『想像力を膨らませる思考訓練として私がよく実践しているのは、「もしOOが××だったらどうなるか」ということ』
『インフルエンザにかかって熱にうなされていた私は、もうろうとする頭でこんなことを妄想したのだ。
もしも、インフルエンザ・ウイルスがもたらすものが、“苦しみ”ではなく、“快楽”だったら―』
小さなアイデアをストックしていき、それを他の何かと組み合わせたり時間をかけて熟成させたりして開花させていく貴志氏の方法論は、見習っていきたいですね!
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小説のアイデアの出し方を、通勤中や家事の間に聴きながら学ぶのもいいですね!
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