カズオ・イシグロの小説の書き方【短期間集中・クラッシュについて】




長編小説をどういうペース配分で書くかというのは作家によって変わってきますが(村上春樹さんは毎日原稿用紙10枚ずつ一定のペースで書いているそうです)、缶詰で一気に書くクラッシュ、という手法で成功したのは、カズオ・イシグロさんです。
クラッシュとはどのようなものなのでしょうか。

カズオイシグロについて(国籍・代表作・作品)

1954年長崎県生まれ。5歳から英国で育ち、英国籍取得。

1982年の長編デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞、1989年の『日の名残り』で英文学の最高峰ブッカー賞受賞。

2017年にノーベル文学賞を受賞。代表作に『わたしを離さないで』『夜想曲集』など。

 

クラッシュ(缶詰執筆)について

『クーリエ・ジャポン』2015年2月号の、カズオイシグロインタビューより抜粋引用


私はそれから4週間、容赦なく他の用事を切り捨て、「クラッシュ」という謎めいた名前をつけた、いわゆる缶詰め期間に入る。クラッシュ期間中、月曜から土曜の午前9時から午後10時半まで、執筆以外の活動は一切しない。休憩は昼食に1時間、夕食に2時間とる。手紙は読まないし返事もしない。電話にも出ない。訪問客も断る。

だいたいこのようにして『日の名残り』は書かれた。クラッシュ期間中は、文体も、午前中に書いたことが午後に書いたことと矛盾していないかといったことも気にせず、自由に書いていった。重視したのは、アイディアが浮かび、育っていくのを邪魔しないことだった。ひどい文章、お粗末な会話、どこにもつながらない場面。すべてそのままにして書き続けた。

クラッシュ期間に入るまでに、私がすでに相当の「調査」をしていたことは述べておかねばならない。

4週間で『日の名残り』が完成したわけではなく、その後も推敲が入るわけですが、主要なストーリーなどはその期間にすべて書き上げた、ということらしいですね。

長編を半年とか一年とかかけて書こうとすると、途中で飽きてしまったり予期せぬ邪魔が入ったり、仕事が忙しくて書く時間が取れなかったりと、いろいろな障害が起こることがあります。そういうったものを防ぐ意味でも、短期間で集中して一気にやる、というのは理にかなってるかもしれません。(毎回この方法だと結構きつそうですが)

そもそも仕事をしながらだったり学校に行ったりしながら小説を書いている人がほとんどだと思うのですが、平日と休みの日で執筆ペースはどうしても変わってしまいます。そこでバランスを崩しリズムに乗れずに、集中できない人も多いと思います。(僕もそういうタイプです。逆に、仕事をしていない期間は執筆がとても捗りました)


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仕事をしている人だったら有給などを駆使して、4週間は無理でもなんとか10日ぐらいまとまった休みを取って、クラッシュに入るのもいいかもしれませんね。

確か京極夏彦氏は、ゴールデンウィークにお金がなくて遊びに行けなかったので、今まで仕事中の空き時間に書いていた『姑獲鳥の夏』をその期間に一気に仕上げた、と何かのインタビューで語っていました。

僕も近いうちにクラッシュを一度試して、小説が完成できるか試してみたいと思いました!

 

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