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ショートショートの書き方~第2回~「形式系」の創作について 




『ショートショートの広場9』(阿刀田高:選)に掲載された60作品の中から、本日は僕が独断と偏見で選んだ第二位の作品を紹介します。

「ショートショートの書き方~第1回~「if系」の創作について」はコチラ



第二位 『墓碑銘』 釈 聾瞽 さん

小説現ショートショートコンテストの応募枚数は原稿用紙五枚以内が基本なので、この短い文章の中でいかにインパクトを出して周りの応募者と差別化を図るか、ということが重要になってきます。

そこで、文章の形式を普通と違うものにする、という方法が考えられます。

一人称の小説は(僕は…、私は…)という書き方で、三人称の小説は(山田太郎さんは会社に行きました)、という書き方になり、ほとんどの小説はこのどちらかで書かれているのですが、そこを外していく。

たとえば、会話だけ(かぎかっこだけ)の作品とか。

「なあ、田中さんの話知ってるか?」
「最近財布を拾ったって話ですよね」
「そうそう、実はさあ、あれって部長の財布だったらしくて」
「え、ほんとですか!」

もしくは日記形式とか。

1月1日、
僕は30歳になりましたが、今年もお年玉をもらいました。
1月2日
お年玉を全部パチンコでスリました。
1月3日
新年に立てた目標に早くも挫折しました。

 

ほかにも手紙のやりとりだけにするとか、スピーチ形式にするとか、いろいろな方法があるのですが、今回紹介する『墓碑銘』は、墓碑銘の文章が延々と連なっているだけで小説を作り上げた作品です。
このパターンは初めて見たので衝撃を受けました。

どんどんいろんな方の墓碑銘が続いていき、事件の真相が二転三転していきます。

よく芸人の面白いコントを見ているときに、

「このコント五分で終わらせるのもったいないなあ。一時間ぐらい観てられそうだなあ」

と思うときがありますが、この作品もまさにそんな感じでしたね。このアイデアにずっと浸かっていたい。短編や長編に発展していくこともできそうな作品です。

実は僕はこの作者の方のブログに辿り着いたのですが(ショートショート界で有名な方なので)、数十年がかりの構想で書いた作品だと述べてあったのを見て、密度が濃くてパッと作った作品ではないと思っていたので、腑に落ちました。

いろいろな形式で、その形式でしか表現できない作品を書けば、必ずインパクトと凄みが出てくることをこの作品は証明していると思います。

次回は第一位「why系」の創作について、書きたいと思います。




 

ショートショートの書き方をnoteで解説しています!

デパルマ三世
「小説現代ショートショートコンテスト」に入選した僕の作品を使いながら、if系のアイデアの考え方や、ラストのミスリーディングの仕方などを解説しています!

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