貴志祐介氏のキャラクターの作り方




はじめに

キャラクター作りが苦手です。

というのも、僕は小説創作において、「キャラクター」よりも「アイデア」を重視してきたんですね。

このことはいずれ、僕が「世にも奇妙な物語」が好きな理由、に絡めてじっくりと書きたいと思いますが…。

ただ、ベストセラー作家を目指すには「キャラクター作り」は避けては通れないでしょう。

僕もいくつかの小説を書いて周りの人に読んでもらい、ほとんど酷評されましたが、数少ない褒められた作品はどれも、名前を覚えてもらえるぐらい個性的なキャラクターが出ている小説でした。

読者はキャラクターが大好きなのです。

貴志祐介氏の『悪の教典』に出てくる蓮見聖司は、とてもインパクトのあるキャラクターです。

では、このキャラクターはどのように作られたのでしょうか。『エンターテイメントの作り方』(貴志祐介著)から引用していきましょう。


キャラクターを引き算の手法で設計する

彼はいわゆるサイコパスを描こうとして生まれた人物ではなく、普通の人間から“引き算”をするかたちで造形している。それも、どちらかというと世間から優秀と目される人間をまずイメージし、そこから「共感能力」だけを取り除いたらどんな人物ができ上がるのか、というのがイメージの出発点だった』

キャラクターといえば、OOができる、とかOOの職業、みたいに、プラスの能力を作って作り上げていくかと思いきや、引き算で作る場合もある、というのは興味深いですね。



キャラクターの弱点は魅力となる

『これまでに世に送り出された名探偵もの、名刑事ものを思い返してみてほしい。たいていのシリーズでは、主人公に何らかの明確な弱点が設定されていることがわかるはずだ。ヒーローは完全無欠の存在である必要はない。むしろ弱点があることで、読者にとっては受け入れやすくなる』

弱点が魅力になる、というのは確かにそうかもしれませんね。『君の名は。』の瀧君ってなんか弱点あったけ、と、ふと思ったんですが、喧嘩っぱやくて顔に怪我してた、のと、美術館で何話していいか分からない、という恋愛下手なあたりが、弱点なのかもしれないですね。

 

キャラクターの命名の重要さについて

『しかし、それでも頑張って頭を悩ませつづけていると、何かの拍子に一気にイメージが広がる瞬間が訪れる。私の場合、キャラクターにぴったりの名前がつけられたとき、そのきっかけになることが多い。それまでは単なる”登場人物A“にすぎなかったキャラクターが、名前を持った途端に姿や性格が具現化され、新しイメージを呼び込むのだ』

キャラクターの命名は難しいですね。知り合いの名前を組み合わせたり、珍しい苗字を使ったり、僕も毎回試行錯誤をしていますが、手を抜かずにしっかりと考えていきたいと思います。

キャラクターづくりで気をつけたいこととは

『キャラクターづくりで気をつけたいのは、作者にとって都合のいい人物を作ろうとするあまり、キャラクターが自分の分身ばかりになってしまうことだ。その結果、主要キャラクターの印象がどれも似通ってしまい、書き分け不足のレッテルを貼られることにもなる。そうした事態に陥らないよう、日ごろから身のまわりにいる人間をよく観察し、人間の個性について、さまざまなバリエーションを引き出しにストックしておくことが大切だ

確かに毎回自分みたいなやつが小説に出てきてしまっている気がします。たまにはガラッと全く違うキャラクターを出していきたいですね!!



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