『悪の教典』や『黒い家』の作者の貴志祐介さんが『コージ魂』というテレビ番組で話してたんですけど、
小説家って二種類いたんですね。
逆算型と即興型。(貴志さんはこういう呼び方はしてませんでしたが…)
逆算型の作家はラストを決めて、そこに向かってどう盛り上げていくかを計算して書く
逆算型はラストを決めて、そこに向かってどう盛り上げていくかを計算して書くタイプです。下書きや設計図をかなり作ってから、小説を書くタイプですね。
戦略的に、ロジック的に小説を書くイメージです。
思い浮かぶ作家でいえば、貴志祐介、筒井康隆、村上龍、島田荘司、東野圭吾、伊坂幸太郎、冲方丁、阿部和重、乙一…。
即興型の作家は小説を書くときにプロットも書かないしラストも決めない
即興型はラストなんて決めずに、下書きもほとんど書かずに、実際に小説を書きながら物語をその場で作っていくタイプです。ノリがジャズっぽいですよね。
感性で小説を書くイメージです。
思い浮かぶ作家でいえば、内田康夫、中原昌也、村上春樹、森博嗣、町田康、高橋源一郎、桐野夏生…。
特に桐野夏生さんの作品なんかは、即興型の人にしか書けない典型というか、逆算してラストを考えていたら絶対に浮ばないようなストーリーなんですよね。物語にうねりがあるというか、どっちに進むか分からないんです。
で、やっぱり即興型のほうが小説の書き方としてかっこいいんですよね。天才っぽいじゃないですか。
「書いていると、物語が向こうからやってくるんです。キャラクターが勝手に動き出すんです」
っていうほうが憧れますよね。
でも自分は確実に、逆算型の人間だなあ、と思いましたね。ちゃんと下書きを書いてからでないと、ラストを決めてからでないと物語が書けない。
文学を書く作家は即興型の人が多くて、エンターテイメントを書く作家は逆算型の人が相対的に多い気がしますね。(例外もあって、文学をロジカルに、エンターテイメントを感性で書く作家ももちろんいます)
漫画家も、この二パターンに分かれると思うんですけど、
『カイジ』や『アカギ』の福本伸行さんなんかが、逆算型の代表なんですよね。
「限定じゃんけん」などの設定の巧みさと細かさや、壮大などんでん返しや、伏線の回収の仕方は、逆算の考え方でしかできない洗練されたストーリーだと思います。
逆算型の書き方は、破綻がないような綿密な物語を書くときに、うまくいきやすいですよね。
即興型にも逆算型にも、それぞれのメリットとデメリットがあって、どちらが上という優劣をつける必要はないんじゃないかと。
ただ、自分はどちらのタイプかを認識していれば、これから作品を創っていくときに少し楽になると思います。
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