乙一氏のミッドポイント理論での小説のプロットの作り方が凄い!【シナリオ】

作家の乙一(おついち)さんが、ハリウッドの映画製作でも使われているミッドポイント理論を駆使しての小説のプロットの作り方を、分かりやすく解説しているので紹介していきます!

参考文献は『ミステリーの書き方』(日本推理作家協会編著)です。

乙一氏のミッドポイント理論の解説【ハリウッド映画や物語や脚本の構成】


プロットというのは、おおまかなすじのようなものである。

今から、プロットというものについての説明をする。

プロットは四つのパートから成立している。それぞれをここではABCDと呼ぶことにする。

なぜそうなるのかはここで説明しないが、起承転結と同じものだと考えてもらってかまわない。

 

A「一つ目のパート」
B「二つ目のパート」
C「三つ目のパート」
D「四つ目のパート」

 

ABCDという四つのパートには、三つの境界が存在する。

境界というのはつまり、AからBに移り変わる部分、BからCに移り変わる部分、CからDに移り変わる部分、といった意味である。

それらの境界をabcと呼ぶことにする。

abcはそれぞれ、ABCのパートの最後に位置する一つのシーンとしてとらえて欲しい。

省略)

 

最も重要なことは、全体の尺の1/4を一つの区切りとして把握することである。

このプロットのスタイルは、ハリウッド映画が作られる際のシナリオ執筆を参考にしている。

ABCDという項目の具体的な意味合いをつかむには、時計を片手にハリウッド映画を見ると良い。

120分の映画があるとしたら、30分ごとに変曲点abcが訪れることに気づく。

 

重要なのはbとそれに続くCである。物語の折り返し地点であるbにおいて、主人公には不幸が訪れなければならない。

 

その不幸は事故などといった突発的なものではなく、小説のアイデアが内包している諸々の問題でなければならない。

その結果、主人公は苦しみ、場合によっては過去のトラウマに向き合わされる。テーマを掘り下げるチャンスでもある。

ここで読者に対してストレスを与えておくことで、四章において問題が解決されたときカタルシスが発生する。

 

~『ミステリーの書き方』(日本推理作家協会編著)より引用~



ミッドポイント理論の実践【恋愛小説編・小説の構成のコツ】


デパルマ三世
ミッドポイントとは「中心点」という意味ですね。

作品の、真ん中のパートに大きな変換点を作ることがミッドポイント理論の肝となります。

乙一さんのミッドポイント理論の説明を読んだところで、実際に一つ、恋愛小説のプロットを考えていきましょう。

200枚の原稿を書くとします。

すると、ABCDの四つのパートで、50枚ずつの原稿を割り振ることになります。

 

A、最初のパートで、男女の二人が出会います。

例えば、新幹線の席が偶然隣だったり、豪華客船に乗り合わせたり、夢の中で男女が入れ替わっていたり、出会い方は何でもOKです。

AからBの移り変わる部分aのシーン (原稿用紙50枚目)
→ここで、最初は嫌いあっていた二人が、何かのきっかけでお互いがいいな、と思うようなシーンを加えてみましょう。

 

B、二番目のパートで、二人の仲が急接近します。

いくつかのハプニングがあったりして、二人がお互いを認め合います。

BからCの移り変わる部分bのシーン。
→二人が付き合うことになります。しかし男性はある秘密を抱えていて、それを女性に明かさないまま付き合ったことを葛藤しています。

(注:ここがちょうど原稿用紙100枚目、この小説のミッドポイントです)

 

C、付き合った二人は仲良く過ごしているが…。

秘密を抱えながらも、二人は付き合っていろいろな場所に遊びに行きます。

BからCに移り変わる部分c (原稿用紙150枚目)
→ここで主人公に最大の不幸かピンチが訪れます。今回では、男性の秘密が女性にばれ二人の仲が切り裂かれ、別れることになりました。

 

D 最後のパートで、全ての問題が解決されます。

男性が必死に空港まで走って、女性を引き留めに行きます。
二人の男女の仲は戻り、めでたしめでたしです。

(fin)

 

今回でいえばミッドポイント【100枚】の前の前半部分は「男女が付き合う前」で、ミッドポイントの後の後半部分は「男女が付き合った後」となり、物語の真ん中で大きく話が変わります。

さらに、秘密を抱えたまま付き合う、という不幸を抱えた状態になっています。

また、CからDの転換点c(150枚目あたり)で、物語の最大の山場であるピンチが主人公に訪れます。

最後の50枚(D)で、それが全て解決されて終わりです。

 

ここまで書いてみると

 

 

「こんな普通の話が面白いか?」

 

 

と思うかもしれませんが、これはあくまでベースとなる考え方です。

この中で設定をいくらでも変えることができます。

例えば、時代背景を江戸時代にしてもいいし、未来にして相手の女性をロボットにしてもいいですし、もしくは、最大のピンチcで起きることを二人が喧嘩するのではなく、何か別の問題(主人公が実は宇宙人で月に帰らないといけない)にしてもいいし、そもそも恋愛の物語じゃなくてもアクションにもサスペンスにもできます。

大切なのは、物語が転換する時や、主人公に不幸やピンチが訪れるタイミングを、意識的に考えてプロットを作っているところです。

ハリウッド映画のほとんどの作品はこのミッドポイント理論を使ってプロットを作成していると思います(ピクサーの映画とかはたぶん全部使ってます)

ミッドポイント理論を知って作品を観ると、また違った楽しみ方ができると思います!

 

(↑はミッドポイント理論を意識して書いてみた妄想小説です)



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