『日の出通り商店街いきいきデー』のあらすじ・キャスト(船越英一郎・筒井康隆)原作
磯部(船越英一郎)が店主をしているラーメン店(大北京)に、商店街のメンバーが集まって騒いでいる。
「今年こそ参加するのか? どうせ参加しねえよ。人間もラーメンも薄味だ」
と、商店街の人に嫌味を言われると、磯部は
「やるよ。今年は俺も参加する」
と言い放つ。
毎年4月2日は「日の出通り商店街のいきいきデー」という年に一度のお祭りだった。
そして当日、磯部が商店街に出ると店のシャッターはすべて閉まっていて、人影がない。
ふいに、背後から大根とごぼうを持った八百屋に襲われる。
磯部は持っているオタマと中華鍋で応戦する。
そう、日の出商店街いきいきデーは、商店街の人たちがそれぞれの商売道具でバトルロワイアル形式で戦う日だった。
その後も、「治すばかりで一生を終えることもないだろう」とメスを投げてくる医者(筒井康隆)、など、いろいろなメンバーが磯部を襲う。
磯部は無事、この戦いを勝ち抜くことができるのか。
原作は中島らもさんの小説『日の出通り商店街いきいきデー』(『白いメリーさん』に収録)です。
『日の出商店街いきいきデー』の感想【世界観のIF系について】
この作品は、僕が「if系」と呼んでいる系統の作品で、「もし~だったら」という非現実を描くんですね。
→ショートショートの書き方~第1回~「if系」の創作についてはコチラ
「if系」にも「人のif系」(空を飛べる人が出てくるとか)と「世界観のif系」(ダジャレが禁止されている社会とか)で大きく分けて2つあって、今回は「世界観のif系ですね」
今回で言えば、「もし、商店街の人が一年に一度、商売道具で戦う世界だったら」を描いてるんですね。
if系の中でも、未来で特別な世界観の作品を描いたものなどはたくさんありますが、ある商店街だけの特別ルールというのは新しい発想だと思います。
さて、if系というのは基本的には何でもありなんですが、荒唐無稽にし過ぎないほうが面白い、と僕は思っています。
どこかで現実と繋がっていたほうがリアリティが出るんですね。
『マトリックス』や『少林サッカー』みたいに激しく戦いながらも、商店街の人たちは「ラーメンが美味しく作れない」とか「電気屋の娘にちょっかいを出している」みたいに、商店街に生きている現実的な悩みを抱えています。
さらに使っていいのが基本的には自分の商売道具だけという制約があり、ラーメン店主はオタマと中華鍋で戦わなければいけないんですね。
そういった点が現実と繋がっていて、設定が抑制されているからこそ、面白みが増しているのだと思います。
作家の筒井康隆さんが医者役として登場しているのも楽しめましたね。
『日の出通り商店街いきいきデー』は世にも奇妙な物語 2008春の特別編に収録されています!
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