『子連れ狼』や『ゴルゴ13(初期)』など数々のヒット漫画の原作者としても知られている小池一夫氏は、漫画はキャラクターが全てだ、と断言しています。
そもそも、キャラクターとは何なのでしょうか。
『人を惹きつける技術』小池一夫著から引用していきます。
キャラクターとは何か
キャラクターとは、簡単にいえば「他と区別される個性的な存在」ということです。あと、僕が付け加えるなら「見る者の心を動かす存在」だということ
『ドラえもん』や『ポケもん』もキャラクターですね。確かに、気づけば、僕らの周りは、人気のあるキャラクターで溢れています。
どういうストーリーを描きたいかではなく、どんなキャラクターを描きたいか
繰り返しになりますが、『漫画=キャラクター』です。そして、ドラマよりも先にキャラクターを創ること。これは大前提です。キャラクターができると、ドラマはあとからついてくるのです。もちろん、これは他のメディアでも同じです。
作品を創りたいと思ったとき、まず決めなければならないのはどういうことでしょうか。
漫画に限らず、多くの人に楽しんでもらえるエンターテイメント作品を創ろうと思ったときに、決して間違えてはいけないのは、最初に「どういうストーリーを描きたいか」を考えるのではなく、「どんなキャラクターを描きたいか」を考えるこということです。
漫画を含むほとんど全ての創作物(アニメ・小説・テレビドラマ・ロールプレイングゲーム)は「ストーリーよりキャラクターが大事」と言い切ってしまった小池一夫氏。
ドラマをまず作って、そのストーリーに会うキャラを創るのではなく、まずキャラクターを創れば、そのキャラの背景などを考えていけばドラマは自然と出てくるのだそうです。
バキの板垣恵介氏もキャラクター論を学んで開花した
小池氏が開いている小池一夫劇画村塾からは高橋留美子氏や堀井雄二など数々のヒットメーカーを輩出しているのですが、刃牙の作者の板垣恵介氏も、小池氏のキャラクター論を学んで開花した一人です。
「俺はもう三十歳を過ぎているからなあ」という人でも大丈夫。何かをはじめるのに遅すぎるということはない。
三十を超えて漫画家になった人も多いからね。
『バキ』の板垣恵介氏も劇画村塾に入ったのは三十歳の時で、それまでは自衛隊にいたのですが、非常に熱心で、「塾頭は一日三つ描けって言ってたから、その上を行って一日十個描こう」と考えて、毎日十個のキャラを描いたと聞きました。
ジーンズのポケットに入る小さなスケッチブックを持って、電車の中でも描いていたのだそうです。
さすがに、プロになる人はそういうところが違うわけですね。
確かにバキシリーズは、キャラクターの魅力がストーリー展開を凌駕してしまっています。勇次郎が出てくるだけでワクワクしますからね。
ただ、僕は実は小池一夫氏のキャラクター論に完璧に賛同しているわけではなく、キャラがなくても創作物は面白くできることもあると思います。
その例の代表として、『世にも奇妙な物語』を挙げたいと思います。
このドラマには、特定のキャラクターは出てきません(ナレーターのタモリさんは出てきますが、これは物語が始まる前にちょっと出てくるだけです)
アイデアやストーリーで毎回勝負することも可能なのです。
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ただ、やはり小池氏の言う通り、人気作品のほとんどが、魅力のあるキャラクターが出ているのもまた事実です。
僕も本腰を入れて、キャラクターについて勉強していかなければならない時期になってきたかもしれません。
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