中谷彰浩先生の名著、『人は誰でも作家になれる』から、引き続き、僕が好きな名言を引用して紹介していきます。
1行でもいいから書こう。そして、24時間以内に、もう1行書こう
本を書くためには、毎日ちょっとずつでも書くことです。ちょっとってどれぐらいでしょう。1日、30枚も書く必要はありません。30枚書いてから、次に書くまで1カ月も開いてしまう人よりは、毎日1行でも、書くことができる人が、作家になります。1行でいいのです。翌日は、その1行は、削除になってもかまいません。一度に長時間書くのではなく、次に書くまでの時間を、24時間以上開けないようにするのです。職業作家がプロたるゆえんは、1行でも、毎日書くことなのです。
~『人は誰でも作家に慣れる』中谷彰宏著より引用~
少しでもいいから、とにかく毎日机の前に座って書け、というのは多くのプロの作家がアドバイスしていることですね。
これは本当に、その通りだと思います。僕も12年小説を書き続けてきましたが、その間、まったく小説を書いてなかった期間も結構ありました。
その期間にきちんと毎日1行でも小説を書いていたら、今頃とっくにデビューできていたような気もしますが…。
というわけで反省して、ここ何年かは毎日きちんと書くようにしています。
この方法のいいのは、十日に1日ぐらい、なぜか凄く調子がよくてスラスラ書ける日があるんですね。ただ調子の良い日がやってくるためには、何日も調子が悪い日を耐える必要があります。
そういう日を逃さないためにも、調子が悪くても忙しくても、毎日1行は書くスタイルを続けていくのは大事だと思います。
さらに、書いた1行は翌日削除になってもかまわない、というのがすごいですよね。
無駄なことを書いてもいいんです。その書いた文章は使わなくてもいいんです。とにかく、毎日書く、というスタイルを日常にしていくこと。
それが作家になるために、必要なことなんですね。
興奮と絶望の繰り返しの中から、作家が生まれる
自分の書いた作品を読み直すほど、辛いものはありません。徹夜で書いたときは、もはや、尋常な精神状態ではありません。尋常な精神状態では、また、本など書けないのです。この作品は文学史上に残る大傑作だ、私は天才だ、と興奮します。一晩寝て、次の日の朝、冷静な気持ちで、昨夜書いた大傑作を読み返す。これほど絶望的になることはありません。ひどすぎるのです。作家になるなんて止めようと、思ってしまいます。職業作家でも、その繰り返しなのです。でも、書き続けるのです。
~『人は誰でも作家に慣れる』中谷彰宏著より引用~
僕も小説を書くときは毎回このプロセスを経てますね。
書き始めたときは、「これは大変なことになるぞ…。文壇が驚愕するぞ…」と興奮しながら書いているんですが、終わりまで一旦書いてみると、「これ、何が面白いんだ?」と戸惑い、それでも何とか推敲して形にして、「うーん、何か最初に思ってたのと違うなあ」と、消化不良な感じで完成する、と。
この繰り返しなんですよね。
ただ、職業作家でも興奮と絶望の繰り返しは味わっているんだと知り、安心しました。
一番大切なことは、書いている途中で自分の作品に絶望しても、そこで破り捨てずに、最後まで完成させることだと思います。
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