文芸評論家の福田和也氏は、毎月大量の原稿を書き上げることで有名です。
コンスタントに作品を生み出すために、スランプをどう乗り越えていけばいいのか、『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田和也著より引用していきます!
目次
福田和也氏の名言『机に座ってさえいれば、いずれは何とかなるでしょう』
執筆にも、そういうスタイルがありますね。
執筆の時間帯の設定から、机周りの整え方。あるいは、本をどういう風に読んでいくか。
そうした自分なりのやり方を、しっかり確立しておく。
そのやり方を、どんなときも崩さない。
そういうスタイル自体の一貫性を保つことで、つまりは書くことそれ自体よりも、フォームの維持に神経を使うことで、何とか苦境を乗り越えていく。
(省略)
「フォーム」を守ることで、スランプをある程度は乗り越えることができます。
でも、「フォーム」でも、乗り越えられないことがある。
決まり通り机に向かっても、一向に進まない、気持ちが行きづまってしまうということもあるでしょう。
そういう場合は、一旦逃げる、つまりは現実逃避をするということもいいでしょう。
ただ、一応、机に座っていることが大事だと思います。
将来やるつもりの、仕事の構想を練るとか。
こういう時にかぎって、次回作についてのいいアイデアが出たりするのですね。
あるいは、関係のない本を読むとか。
肝要なのは、机に座っていることだと思います。
机に座ってさえいれば、いずれは何とかなるでしょう。
私は、文芸誌のカンヅメ先で、どうしても筆が進まないまま、机にむかって三十巻近くある『のたり松太郎』を全巻読んでしまったことがあります。でも、まあ何とか机に座りつづけたおかげで、最終的には脱稿しました。
~『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田和也著より引用~
福田和也さんのフォームと「チャンドラー方式」との違い
以前ブログで紹介した「チャンドラー方式」という執筆スタイルがありまして、これは何かというと、毎日一定の時間、例えば午前9時~12時までは机の前に座る、と決めて、その間は、「小説を書く」以外のことをしてはいけない、というやり方ですね。
「小説を書く」か「何もしない」かで、3時間何もしないでボーっとしていてもいいんですね。
そうやって毎日一定の時間机の前に座っていれば、いずれ何か書くことが浮かんでくる、というやり方ですね。
・チャンドラー方式の詳細はコチラ
→作家を目指すときの用語集一覧まとめ【小説執筆・本・専門・出版】
それで福田和也さんのやり方もそれに似ているんですが、チャンドラー方式との違いとして「漫画を読んでもいい」んですね。
チャンドラー方式は漫画を読むのは禁止でしたが、福田和也さんに言わせれば、机の前にさえ座っていれば、他のことをしてもいい、というやり方ですね。
これは人によってどちらのやり方を採用するかが、好みの問題だと思いますね。
漫画を読み過ぎてそのまま何も書けなくなってしまう人は、チャンドラー方式の方がいいかもしれません。
スランプ時に次回作を考えるときの注意点
福田和也さんが述べていたことで、スランプのときは次回作を考えると浮かぶ、というのがありましたね。
確かにその通りだと思うんですけど、注意点を一つ挙げておくと、次回作のアイデアが浮かんだとしても、今書いている作品を書くのを止めてはいけない、ということですね。
Aという作品を書いているときに、Bという新しい作品のアイデアが浮かびますね。
それで、「あ、Bの方が面白そうだから先にこっち書こう」とBを書き始めてしまうと、今度は途中で「いや、Cの作品の方が面白そうだぞ」とどんどん、違うアイデアが浮かんできて、作品を最後まで完成できなくなってしまうことがあるんですね。
対策としては、次回作Bのアイデアはメモ程度にしておいて、まずはやはり今書いているAの作品を頑張って最後まで書くことを意識するのが良いかと思います。
→小説を書いているときに、別の小説のアイデアが浮かんだら…はコチラ
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