ポメラ妄想小説第3弾を発表します!
それぞれ独立した話になっているので、1話と2話を読んでいなくても大丈夫です。
ただし、3作合わせて読んでいただくと、より楽しめるはずです!
・笹塚 会社の総務課勤務・今回の物語の主人公
・奈津子 笹塚の妻
・孝弘 笹塚の息子
・今泉 会社のエース的存在。『ポメラを離さないで第1話~ポメラを持った一日を想像してみよう篇~』の主人公。
・神成ミカ 新人社員でおっちょこちょいだったが……『ポメラを離さないで第2話~おっちょこちょい新人社員篇~』の主人公。
・日出間 今泉の後輩。ポメラ否定派。今回の話には一切出てこない。
・部長 ひげをたくわえている。今回の話には一切出てこない。
ポメラ妄想小説『ポメラを離さないで第3話~夢を追うフリーターの息子篇~』
(作:デパルマ三世)
目次
第1章 息子がポメラDM200を使って脚本家を目指し始める
「孝弘はそろそろ就職活動を始めてるのか?」
遅い夕食を一人で食べながら、笹塚は妻に訊いてみる。
最近は残業続きで、帰宅できるのが遅くなってしまう。
「それがね、就職活動はしないみたいなの」
「なんだと?」
笹塚は、ご飯が喉に詰まりそうにった。
「孝弘、脚本家になりたいらしくて……」
25歳の息子は、新卒で務めた会社はすぐに辞めてしまいその後はフリーターをしている。
家には毎月食費を入れてはいるが、またどこかの会社に務めるとばかり思っていた。
「それで、奈津子はなんて言ったんだ?」
「あら、私はやりたいようにやったらいい、って言ったけど。まだ若いんだし」
「若いって言ったって、もう25歳だぞ。いつまでもフラフラしているわけには」
そうだ、25歳の時に結婚をして、孝弘が生まれたんだから。
「今、孝弘は部屋にいるんだよな?」
「いると思うけど、あなた、何か顔が怖いわよ。ちょっと、強く言うのはやめてよ」
「孝弘と話してくる」
笹塚は二階に上がる。
怒りで、呼吸が速くなっているのを感じていた。
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第2章 父親はポメラを使っている息子に激怒する
孝弘の部屋をノックして、返事を待たずに入る。
「あ、父さん、お帰り」
孝弘は机の前でなにやらパチパチと入力している。
「孝弘、脚本家を目指してるんだってな」
「あ、母さん言っちゃったの。そうなんだよ。もうちょっと結果が出てから伝えたかったんだけど」
能天気な答えが返ってきて、笹塚は怒りが抑えられなくなってくる。
「脚本家になりたいなんて今まで言ってなかっただろ。なんのために私立の大学まで行かせたと思ってるんだ!!」
「やりたいことが見つかったんだから、仕方ないだろ。それにさ、ポメラって機械買ってから順調なんだ」
孝弘は目を輝かせている。
「今まではパソコンで書いてたからついついネット観たりしてサボっちゃうこともあったんだ。でもポメラは文章を書くことしかできないから、集中できる。すごいんだぜ」
ポメラか、うちの会社にも最近使っている人がいて話は聞いたことがある。
今泉くん、新人の神成さん、確かにあの二人は仕事で結果を出しているようだが、それはあくまでも会社のサラリーマンとしての話だ。
「世の中に何千人、何万人の人が脚本家を目指している考えたことあるのか。その中から、プロになれるのはほんの一握りなんだ」
「そんなの、やってみないとわかんないだろ!」
「やってみなくてもわかる!」
孝弘はショックを受けた顔でこちらを観ている。しかし笹塚の怒りは収まることはなかった。
「何が脚本家だ!何がポメラだ!ふざけるな!いつまで夢を見てるんだ!」
しーんと静まりかえる。
「夢を見ちゃ悪いのかよ!父さんは、夢を目指したこと、一度でもあるのかよ!!」
夢を目指したこと?
笹塚はその言葉を聞いて、一瞬戸惑った。
孝弘はそのまま家を出て行ってしまった。
ひとり部屋に取り残された笹塚は、呆然としていた。
俺に夢なんて、あっただろうか。
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第3章 ポメラを使った息子は、集中した顔をしていた
「なあ、俺に夢なんてあったっけ」
小学校の時からの幼なじみの妻は、俺の事を俺よりよく知っている。
「あら、あったじゃない、忘れちゃったの」
「え、なに」
「あなたねえ、小学生の時は、正義のヒーローになりたいんだ、ってずっと言ってたわよ」
「正義のヒーロー、俺が?」
「そう、困ってる人を助けたり、悪い人をやっつけるんだって。世界中の人を笑顔にするんだって」
俺はそんなことを考えていたのか。
完璧に忘れていた。
今の仕事は、夢とは大違いだな……。
会社の人たちに、陰でなんと言われているかは知っている。
器用貧乏の笹塚さん
今年の春から総務課に配属されいろいろな部署から仕事を振られ、それなりに仕事はこなすがなかなか出世できていない。
世界中の人を笑顔にする、か。
たった一人の息子も、笑顔にできてないのにな。
「この前夜食を持っていったんだけどね、孝弘、あんなに集中してるの始めてみた」
「そうか」
「あのポメラって機械の前でね、ずっと文章を打ってた。休まず」
「……」
「真剣な孝弘の顔、あなたにも見せたかった」
「……」
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第4章 脚本家になれる可能性は、ごくわずかだ!
次の日の夜遅くに、孝弘は帰ってきた。
何も言わずに二階に上がろうとする。
「孝弘、ちょっと待て」
笹塚は呼び止める。
階段の途中で、孝弘は振り返る。
「孝弘、昨日言ったことを変えるつもりはない。プロの脚本家になれる可能性はごくわずかだと、父さんは今でも思っている」
孝弘は睨むように、こっちを見ている。
「それでも、おまえがやりたいなら、父さんはもう何も言わない。助けが必要ならする。ただし、一つだけ条件がある」
「条件?」
「脚本ができあがったら父さんにも読ませてくれ。こう見えても父さんは、学生時代は映画や舞台を結構観てたんだ」
「わかった……」
孝弘は二階に上がって行った。
孝弘の顔は見えなかったが、笑っていたのだろうか。
廊下の後ろで、奈津子が笑いながら笹塚を見ている。
俺は今から、子供の頃に夢見ていたヒーローになれるだろうか。
「~素敵な人生に、ポメラ~」
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