ミステリー小説の中でも「ある特殊な設定がある中で事件が起こる」ミステリーがあります。
僕はこれを「IF系のミステリー」(もし……だったら)と呼んでいて、代表的な作品だと『生ける屍の死』山口雅也(著)があります。
『生ける屍の死』では、「死者が蘇る」という特殊な設定で事件が起きます。
目次
意外な設定のIF系ミステリー小説の書き方・推理小説『透明人間は密室に潜む』阿津川辰海・あらすじ・設定・ネタバレなし! 「2020年本格ミステリ・ベスト10第1位」倒叙ミステリー作品
短編集なのですが、表題作の『透明人間は密室に潜む』がまさにIF系のミステリー小説です。
刑事コロンボとか古畑任三郎みたいに、犯人側(透明人間)の視点から物語が進行していく、倒叙ミステリー作品と呼ばれるジャンルの小説です。
この話のIF(もし……だったら)の設定は何かというと
「透明人間がいる世界」
です。
ただ、透明人間は周りの人間に迷惑になるので、薬を飲んで透明化を防ぐ必要があります。
まず、ターゲットがいる大学まで、誰にもぶつかってはいけない。
透明だから、周りの人からは見えてないので歩いているときにぶつかったら、
「ここに透明人間がいる!」
と通報されてしまいます。
よって、混んでる電車にも乗れません。
さらに、凶器を持っていくこともできません。
凶器を手に持つと、凶器だけ空中に浮かんだ状態になるので、周りの人に発見されてしまいます。
なので、現場で凶器は見つけないといけないわけです。
さらに、透明人間だからと言って、壁などをすり抜けられるわけではないんですね。
鍵のかかった部屋に入るとしたら、鍵を開けて入るか誰かが入っている隙に後ろから入ったりしないといけないわけです。
IF系のミステリー小説を書くメリット・周りの小説とかぶりくい・オリジナルのアイデア・注意点
「周りとかぶらない」
ことだと思います。
ミステリー小説や推理小説を書いたことがある人はみんな持っている悩みだと思いますが、
「もうトリックも謎も出尽くしてるじゃん」
ってことなんですよ。
せっかく驚くような話が書けたと思ったら、
「それもう東野圭吾さんが書いてましたよ」
とか
「エラリークイーンが似たようなことやってましたよ」
とか
「名探偵コナンで同じトリックありました」
ってことがしょっちゅうあるんです。
ただ「IF系のミステリー小説」を書く時の注意点として大切なのは
「設定に矛盾があってはいけない」
透明人間がいる、という大きな嘘を書いたら、他の世界観は論理的に構築しないといけないわけです。
透明人間は何人ぐらいいるの?
透明人間がメガネをかけたらどうなるの?
などの読者のツッコミを、全て納得させるように書かないといけないんですね。
「特殊な設定」の中で、驚くような謎や論理的展開やロジックが必要になってきます。
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