カミュ『ペスト』の名言『絶望に慣れることは、絶望そのものより悪いのだ』100分de名著




カミュ『ペスト』の解説を、NHKEテレ『100分de名著』で2020年4月11日(土)に放送していたので紹介していきますヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

カミュ『ペスト』あらすじ・非常事態宣・緊急事態宣言・都市封鎖

『ペスト』あらすじ

フランスの植民地アルジェリアのオラン市で、少しずつ疫病ペストが広がっていきます。

当局は責任を取りたくないから最初ペストの存在を認めないんだけど、犠牲者がたくさん出てついに町に非常事態宣言が出されて、都市封鎖されるわ。

主人公の医師リウーを含め登場人物たちは、それぞれの理念や思想のもと、ペストと戦っていくんだけど……。

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カミュ『ペスト』の名言『絶望に慣れることは、絶望そのものより悪いのだ』100分de名著・解説・フランス文学者・中条省平さん

デパルマ三世
ペスト』のキーワードの1つに『慣れ』があると解説のフランス文学者・中条省平さんは言います。
『ペスト』の中でも病院が埋まっていき大勢が犠牲になる疫病の悲惨さにも、人間は慣れて鈍感になってきてしまいます。

それは「強さ」でもあり「危険」でもあります。

ペストにこんな一文があります。

 

絶望に慣れることは、絶望そのものより悪いのだ

 

絶望に慣れてしまうと、絶望から脱出する気力もなくなってしまいます。

カミュ『ペスト』の感想・コロナウイルス問題の予言書・不条理な世界に反抗する

デパルマ三世
『ペスト』は学生の頃に読んだのですが、その時は正直ピンときませんでした。
しかし、コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている2020年現在において、『ペスト』はまさに予言の書です。

非常事態宣言が出たり、都市封鎖をされたり、偉い人は責任をなすりつけ、市民は気を緩めて遊びに行って悲惨な光景を目にしたりします。

 

ペストは不条理の象徴だと、解説の中条省平さんは言います。

 

コロナウイルスの問題が起きる前から、世界は不条理に満ち溢れています。

貧困、差別、欺瞞、不正、妬み……、誰もがそれぞれの「ペスト」を抱えて生きています。

その不条理が、今回コロナウイルスの感染拡大で誰の目も明らかになる形で、押し出されてきていると感じます。

 

われ反抗す、ゆえにわれらあり

 

カミュの『反抗的人間』の一節です。

不条理な世界に反抗することによって、「われ」が「われら」に変わり連帯が生まれました。

カミュにとっての反抗は、「書くこと」でした。

カミュは46歳の若さで亡くなるまで、作品を書くことに人生を捧げました。

自分にとっての「反抗」は何かを考えて、実行し続けていきたいと思います。

 

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